目次
1. インバウンド市場の現状
近年、日本を訪れる外国人旅行客数は急増の一途を辿っています。
JNTOの発表によると、2024年7月の訪日外客数は、3,292,500人となり、前年同月比では41.9%増、
2019年同月比では10.1%増となったことが分かりました。
2019年同月の2,991,189人を約30万人上回り、2か月連続で単月として過去最高を記録。
また、7月までの累計では21,069,900人となり、過去最速で2,000万人を突破したとのことです。
日本政府は2030年には6,000万人という訪日外国人観光客数の目標を掲げており、
観光立国を重点施策に位置付けています。
この記事では最新の訪日外国人旅行客数の現状を踏まえ、改めてインバウンド戦略を考えてみたいと思います。
1-1. 訪日旅行の多様化
かつては東京や京都などの有名観光地を周遊する「発地型」の旅行が主流でした。
しかし最近では、旅行形態が多様化する傾向にあります。
最近では、旅行代理店を介さずに個人で旅程を手配する「FIT(Free Individual Traveler)」や、
オンラインで予約を完結させる「OTA(Online Travel Agent)」を利用するケースが増えてきました。
また、従来の都市観光から、地方への「着地型観光」や「体験型観光」、
長期滞在する「滞在型観光」などへとシフトが見られます。
リピーターが増えるにつれ、メジャーなスポットよりも
隠れた魅力を求める傾向が強まっているためです。
1-2. 人気の旅行形態
- 着地型観光:現地が主体となって観光商品を設計・情報発信する形態
- 体験型観光:その土地の文化や自然を体験することが主目的
- 周遊型観光:複数の観光地を移動しながら巡る形態
- 滞在型観光:一か所に長期滞在し、現地の生活に浸かる形態
これらの旅行形態は、単に「場所」だけでなく、「コンテンツ」の魅力によっても特徴付けられます。
着地型や体験型は現地のコンテンツに重きを置き、周遊型や滞在型は場所の違いを楽しむスタイルといえます。
1-3. 成功例
- 着地型:熊野古道を外国人観光客目線でPRし、外国人観光客を呼び込んだ田辺市熊野ツーリズムビューロー
- 体験型:ウインタースポーツだけではなく、乗馬や料理教室など、
様々なアクティビティがあることを活かし、長期滞在が可能なニセコ - 周遊型:東京〜箱根〜富士山〜名古屋〜京都〜大阪といったゴールデンルート
の「経由地」としての地理的利点を生かした飛騨高山 - 滞在型:農業体験と連動したファームステイに注力する中込農園(山梨県)
このように、インバウンド需要を取り込むには、現地の魅力を存分に発信することが重要です。
そのためには、言語の壁を取り除く「多言語対応」が欠かせません。
2. 多言語対応の重要性
外国人旅行客にとって、言語の壁は大きな障壁となります。
日本を訪れる前から旅行中、帰国後に至るまで、様々な場面で多言語対応が求められています。
2-1. 旅行前の情報収集
JNTO「訪日外国人の消費動向 2024年1-3月期 報告書 」では、
訪日外国人が旅行前に役立った情報源の言語は、
「英語」が49.3%と最も多く、次いで、「韓国語」(28.6%)、
「中国語(繁体字) 」(24.4%) 、 「中国語(簡体字) 」(14.3%)、
「日本語」(12.3%)の順で多いことが分かった。
また、人気の情報源としては「やまとごこころ.jp」が2023年に実施した独自の調査によると、
TripAdvisor、Travel Japan、japan-guide.comなどが過去にあげられています。
これらのサイトは英語を始めとする複数言語に対応しており、
外国人が母国語で情報を得られる環境が整っています。
一方で、多くの観光施設や宿泊施設のWEBサイトでは、日本語表記のみという状況も少なくありません。
このような言語の壁が、スムーズな旅行の妨げとなっている可能性があります。
2-2. 旅行中の不便さ
旅行中にも、外国人観光客は多言語表示の不足を感じがちです。
例えば宿泊施設では、施設情報やアメニティの案内などで、
日本語表記のみでは知りたい情報にたどり着けないケースが多いでしょう。
また、観光地の案内板やガイドブックなどでも、外国語表記が不十分だと不便を強いられます。
周辺の観光スポットや体験プログラムの情報が母国語で得られないと、
現地の魅力を存分に味わえないかもしれません。
2-3. 多言語化がもたらす満足度への影響
このような言語の壁は、外国人観光客の満足度を大きく左右する可能性があります。
観光庁の調査でも、外国人観光客は「多言語での案内不足」を指摘しています。
宿泊施設は旅行中の唯一のプライベート空間であり、そこでストレスを感じてしまっては本末転倒です。
施設情報から周辺案内まで、母国語で情報を得られる環境を整備することが求められます。
3. 多言語対応の進め方
インバウンド需要の高まりを受け、多言語対応に取り組む企業も増えてきました。
しかし、単に自動翻訳で済ませるのではなく、戦略的なアプローチが重要となります。
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3-1. 対象言語の選定
まずは対象とする言語を絞り込む必要があります。
これまでの観光庁の調査から、英語、韓国語、中国語(簡体字・繁体字)への対応が
特に求められていることがわかります。
さらに、ターゲットとする国や地域によっては、それ以外の言語対応も検討する必要があります。
例えば東南アジアからの旅行客が多ければタイ語や、
中東からの客が多ければアラビア語への対応を意識する必要があるでしょう。
3-2. 言語別のアプローチ
対象言語が決まれば、次はそれぞれの言語に合わせたアプローチを検討します。
単に翻訳するだけでは不十分で、言語や文化の違いを意識したコンテンツ制作が欠かせません。
例えば、WEBサイトのデザインでは、縦書きや横書きの違いに加え、
その言語の読み方に即したレイアウトを心がける必要があります。
コンテンツの内容についても、その国や地域の文化的背景を踏まえたうえで、適切な表現を選ぶ配慮が求められます。
3-3. 現地対応の工夫
WEBサイトに加え、実際の観光地や施設での対応も重要です。
案内板やパンフレット、ガイドブックなどでの多言語表記は最低限の要件となります。
さらに、現地スタッフによる対面での多言語対応も理想的ですが、
コスト面で現実的ではない場合が多いでしょう。
そこで有効なのが、タブレットやスマホのWEBサイトを活用した間接的な多言語対応です。
店頭でタブレットを使い、外国人客とコミュニケーションを取りながら、
WEB上の多言語コンテンツを補助的に活用する方法です。
商品情報や施設案内、周辺スポットの紹介など、様々な場面で役立つはずです。
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4. 価格設定の工夫
多言語対応を進めるうえで、もう一つ重要な点が価格設定の工夫です。
外国人観光客の受け入れを促進するには、適切な価格戦略が不可欠となります。
4-1. 二重価格の導入
世界の有名美術館などでは、一般価格とは別に現地住民向けの割引価格を設定するケースが多くあります。
例えばルーブル美術館では一般価格が22ユーロ(約3,700円)なのに対し、EUの若年層は無料となっています。
このように、外国人観光客と現地住民で価格を分ける「二重価格」の導入を検討するのも一案です。
観光地によっては、外国人観光客向けに割高な価格を設定し、
その収益を観光インフラの整備費用に充てることも可能かもしれません。
4-2. 価格以外の付加価値
価格設定以外にも、プレミアムな付加価値を提供することで差別化を図ることができます。
日本の四季の魅力や、各地域の文化、伝統工芸品などをうまく売り込めば、
外国人観光客の関心を惹きつけられるはずです。
例えばニセコ町では、ウィンタースポーツに加えて乗馬や温泉、
料理教室などのオプションを用意し、長期滞在でも飽きることのないよう工夫しています。
こうした取り組みを、言語の壁を越えてアピールできれば、高付加価値なサービスとして評価されるでしょう。
おわりに
インバウンド需要の高まりを受け、各地で様々な対応が行われるようになってきました。
しかし、観光地の魅力を外国人観光客に効果的に伝えるには、言語の壁を取り除く「多言語対応」が欠かせません。
単なる自動翻訳では不十分で、言語や文化の違いを踏まえたうえでの戦略的な多言語化が求められます。
さらに、価格設定の工夫や付加価値の提供など、受け入れ態勢の整備も重要となるでしょう。
このように、インバウンド対応には多くの課題がありますが、一方で成功事例も少なくありません。
それらを参考にしながら、言語の壁を乗り越え、
日本の魅力を世界に発信していくことが何より重要なのではないでしょうか。
そこで、多言語翻訳制作サイトをお探しの方におすすめなのがインプラス「エドマルチ」サービスです。
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