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深刻!ホテル業界の人材問題
スタッフ不足が原因で館内説明やルームサービス、
観光案内など宿泊客への対応に困った経験はありませんか?
帝国データバンクが行った「人手不足に対する企業の動向調査(2024年1月)」によると「旅館・ホテル」業界の正社員の人手不足割合は(68.6%)と7割に迫る勢いであり、非正規社員においても(59.6%)と非常に高い結果となっています。
これらの根本的な原因の1つとして「収益性の低さ」
が指摘されているのをご存知でしょうか。
ホテルや宿泊施設運営は土地代や設備投資に伴う経費、
災害・感染症の流行など外部要因の影響が大きく受けるため、
人件費など必要な経費を十分に当てられない問題が課題となっている他、業務効率化の要となる
ITの活用(オンライン予約やSNSの活用・インターネット関連)の対応が遅れていることも
業界全体の人手不足に影響していると言われています。
今回はホテル業界に焦点を当て、ホテル業界が抱える課題とIT活用による業務効率化の方法について紹介いたします。
客室稼働率は回復傾向
コロナ禍で一時は減少していた訪日外国人数ですが、日本政府観光局(JNTO) のデータによると
2024年1月の訪日外客数は2,688,100人。前年同月比では79.5%増を記録しています。
また観光庁が行った客室稼働率調査では全体で57.4%と、徐々に回復傾向にあり
追い風が吹いている状況を鑑みると今後ますます業績の回復が期待されていることが予想される一方、
新型コロナウイルスの影響で離れてしまったスタッフの欠員はこれら増える需要に対応しきれず、
人材不足は深刻な課題となっています。
説明不足が原因?トラブル実例
増加する外国人観光客への受け入れは、ホテル業界にとって追い風となるとお伝えいたしましたが、
同時にトラブルの声も多々寄せられているようです。
文化や言語が多様な外国人観光客がホテルを利用する現場では、どんなトラブルが起きているのでしょうか。
【外国人観光客によるトラブル例】
- ドライヤーなど持ち帰り不可の備品を持ち帰られてしまった
- 大浴場で撮影機器を持ち込まれてしまった
- 説明を一度で伝えきることができず、従業員が何往復もすることになった
- バイキング利用時、一度取った料理を戻したり手づかみで料理を扱われてしまった
これらのトラブルは、都度一人一人に説明することが出来れば回避することが減少出来るかもしれません。
しかし接客に時間を多く要することは従業員の負担も大きくなる上、現場で働くスタッフを増員する必要があり、
人材不足に一層拍車がかかることが予想されるでしょう。
特に備品の持ち帰りは事実上の赤字に繋がる深刻な問題です。
チェックイン案内時やウェブサイト、客室や館内に注意書き掲示するなど、誰でも目に出来るような方法で
「適格な案内」を明示しましょう。
いくつ対応していますか?業務効率化5選
1.自動精算機の導入
チェックイン・チェックアウトの時間帯はフロントが混雑しやすく利用者ストレスの一因となる為、
近年では自動精算機を導入しているホテルが増えています。
会計が自動化されることで人的ミスを防止するほか、フロント業務に余裕が生まれ、
客室からの電話に即対応したり周辺の観光地を案内したりと、より質の高いサービスを提供することが
可能となります。
英語・中国語・韓国語など複数の言語に対応している機器や、パスポートの読み取り機能がついているなど、
自動精算機の機能も年々改良が進んでいるため、施設に合った機器の導入を検討しましょう。
2.Webサイトを多言語化
Webサイトは外国語に対応していますか?
「既に対応している」という事業者も注意が必要です。
ホテル公式サイトには「日本語・英語」の2カ国語のみ、あるいは「日本語・英語・中国語・韓国語」
の4カ国語対応が多く、それ以上の言語が選べるサイトはまだ少数にとどまっています。
サイト管理やコストの面からも、言語を限定せざるを得ない運営側の事情が否めないのでしょうが、
顧客一人一人の出身国に合った言語で情報を提供することは満足度を向上させる重要な一因であり、強みともなります。
また「よくある質問への回答」の項目を設定し多言語化することで、外国人観光客が抱く可能性のある
疑問や不明点について事前に解答を得ることが出来れば、 サービスを利用する際の手続きがスムーズとなり、
外国人観光客の満足度・安心度を一層向上させることに繋がるでしょう。
3. 館内表示にアイコンやピクトグラムを使用
館内表示にアイコンやピクトグラムは使用していますか?
様々な国の人が一目で理解することができるピクトグラムは、言語で表記しきれない注意喚起や
警告を解消する有効な手段の一つです。
これにより観光客がホテル内の施設やサービスを利用する際の困惑や不便を軽減することが可能となるでしょう。
4. 多言語に対応している決済システムを導入
多言語に対応した決済システムは導入済みでしょうか?
支払いは利用者、ホテル側双方にとって、最も重要なポイントとなります。
自身の慣れ親しんだ言語で決済手続きを進めることで、
サービス利用におけるストレスを軽減し、安心して決済することが可能となります。
5.旅行者向けのデバイスを導入
旅行者向けのデバイス(タブレット等)を客室に設置し、多言語対応の情報提供を行っていますか?
専用のデバイスで各個人が必要とする情報を確認することにより、宿泊者は館内施設案内や催し物、
レストラン情報、周辺情報、観光情報といった、インバウンド観光客が必要とする様々な情報を
多言語で伝えることができるほか、情報のアップデートも容易なため常に最新の情報を配信することが可能となります。
また、サービスによってはメッセージ送信や内線通話、貸出品のオーダーや清掃業務に対応しているものも多く、
ホテル運営側にとっても業務効率化にも大変有効なツールと言えるでしょう。
まとめ
以上、ホテルにおける多言語対応の重要性とその実施方法について紹介いたしました。
ITの活用による機械化・自動化に取り組むことは、人件費の削減につながるのはもちろんのこと、
残業時間の削減や従業員の士気向上など労働環境の改善にも繋がります。
特にwebサイトの多言語対応を進めることは外国人観光客の滞在体験向上に直結し、
再訪や口コミによる新規観光客の獲得に繋がる可能性があります。
今後も多言語対応の重要性は増すことが予想されるため、
ホテル業界は一層積極的な取り組みを進めていくことが求められるでしょう。
時間やコストがかかってしまうインバウンド対策ですが、システムを活用することで効率的に対策が可能となります。
外国人観光客の増加している今、ITを活用したインバウンド対策に注力することこそが
新規顧客の獲得につながり、ビジネスチャンス拡大のカギとなります。
ホテルの売上向上・人手不足解消のためにも 検討してみてはいかがでしょうか。
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